BLACK&WHITE 【梅茶付け】

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タンポポ
 終章~それは黄色い花~

季節が移り変わる時期が近づいてくる。
学生達はテストの時期だった。
数ある学校行事の中で一番いやな学校行事だ。
今更遅いがテスト前に軽い問題集でもやろうと本屋に立ち寄る。
やらないよりはましだろう。そう考えながら本屋の中を歩き教材コーナーで立ち止まり教材をあさる。
気付けばそのなかの医学書に手が伸びていた。
あの子の病気がわかるかもしれないと思ったのかもしれない。
しかし本の内容は難しすぎてさっぱりだった。

俺が小さいとき妹も病気で幼い命を落としてしまった。
あの時、苦しむ妹の前でどうする事も出来ない自分に腹が立って。
意味も無く家の壁を手が腫れるまで、殴りつけていた覚えがある。
病気で人が死ぬ辛さは十分わかっているつもりだ。
「・・・医者になろうかな」
そうすればあの子の病気を治せるかもしれない、なんて軽く考えないほうがいい。苦笑してしまう。
医学書を見ながら笑っているなんて周りから見たら変人だな。

テストが近いためにユキのところに行く時間は作れなくなっていた。
もとはというと自分の成績が悪いのがいけないわけで、今頃になってバカを後悔する。
そんな中でようやく休憩ついでにお見舞いに行く事にした。
彼女は花が好きだ。
彼女に会いに行くたびに花を持って行くようになっていたのだった。
彼女は花を持って行くとその種類やら名前やらを聞いてくる
花のことなんて何も知らなかった俺は、買う前にその花について勉強するというおかしな習慣がついた。
そんな花の中でも、
「わぁありがとう!」
やっぱり一番最初に持ってきた黄色い花がお気に入りらしかった。
飾り気のない普通の花なんだけど。
「その花好きだね」
「うん。この花はね、小さくてとても可愛いけど強くて。何度でも立ち上がるのよね」
どこか嬉しそうな顔で彼女は話した。自分と重ねているんだろうな。こうなりたいと思っているのかもしれない。
「元気になったら花畑に行こうか。」
とうとつに思いついた事を言った
「え?」
「連れて行ってあげるよ、この街の一駅先に小さいけど花園があるんだ、きれいだよ?」
とても連れて行ける身体じゃないことはわかっていたけれど
「ホント?ありがとう。約束ね?」
彼女はとても嬉しそうな顔でそういった。
絶対に連れて行ってあげよう。
「もちろん」
俺は答えた。
元気に笑ってくれるなら、喜んでくれるならどこへでも連れて行ってあげようと。本気で思った。もちろんハナもつれて行こう。

いつか彼女と歩いた林道を歩く。
風が涼しくなってきていた。
もう秋かな?
秋が終われば彼女の季節が来る


時間は止まることを許さず
過ぎていく


長い地獄のようなテスト期間を通りすぎ、やっと明日でテストがやっと終わる。
早くユキに会いに行こう。

そんな中ハナがめずらしく風邪をひいてしまった、
普段ハナと遊んでいる姉が一番に気が着き医者へ連れて行ったところだ
いやな胸騒ぎがする
予感的な感覚を信じるわけではないが、
今日はなるべく早く病院へ向かうことにした。

病院に着いたとき院内はいつも以上に慌しかった
ナース服を着た女性達がせわしなく動き
白衣を着た先生と見える人物が指示をしている。

そんな受付にいた女性が気づき私を呼んだ
俺がこの病院に花を持って来たとき、一番最初に出会った看護婦だった。
そこで彼女から聞いた話を俺は信じることが出来なかった。
彼女の容体は回復にむかっていると聞いていたのに、
現実は憎らしいほど甘くはなく
俺の来なかった間にまた急変し悪化してしまったという。
そしていま慌しいのはまた彼女の容体が悪化したらしいというのだ。

そして俺がユキのいる病室に行こうとしたその時
さわがしく前から白衣を着た団体と車輪の着いたベッドが近づいてくるのが見えた。
ベッドには少女が乗せられていた。
肌は前よりも白くなっていたかもしれない

彼女は苦しそうに人工呼吸器を通して息をし、俺を見た
彼女の切なそうな顔を俺は最後に見るだけだった。
それでも彼女は最後に俺を見て
微笑んでいた気がするのはなぜだろう。
通り過ぎる少女を
ただ見ていることしか出来ない自分が憎かった。

けっきょくなにも出来なかったのだ。
なんて無力なんだろうか
人間はなんて無力なのだろうか?
あの時と同じように、妹が苦しんでいるのを見ていたときのように
ただ祈ることしか出来ないのだろうか
自分に力があれば、それは思い上がりかもしれないけれど

手術中のライトが消え、
手術が終わったことを静かに告げていた。
医者の報告を聞いたとき
俺はただ涙した。




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